【 増 上 寺 「 光 摂 殿 」 大 広 間 出 展 者 】



鈴木 義宣 SUZUKI Yoshinobu

【略歴】
1981 愛知県瀬戸市に生まれる
2011 愛知県立窯業高等技術専門校 修了
2011 七代 加藤幸兵衛氏・加藤亮太郎氏に師事
2015 瀬戸市にて独立

《ステートメント》
「焼き物の街 瀬戸」で生まれ育ち、その地で制作しているが、陶芸の伝統を重んじながらも独自の感覚を活かした作品を制作していきたい。
SWシリーズ(画像の作品)は、宇宙やSFの世界観を思わせる近未来的フォルムをイメージし制作している。

  • artist
  • work







諏訪 裕美 SUWA Hiromi

【略歴】
1987年12月27日生まれ

京都嵯峨美術大学短期大学部にて染色を学ぶ。
卒業後インドネシアの国費留学プログラム、ダルマシスワ留学でインドネシアでバティックや伝統影絵を学ぶ。
帰国後、上京し伝統工芸型染めと現代人としての自分の感覚との融合を模索、製作している。

  • work
  • work







関 昌邦 SEKI Masakuni

株式会社関美工堂 代表取締役

【会社概要】
1946年の創業以来、430年以上続く会津塗の伝統技法を活かした製品を生み出してきました。
「漆のある暮らし・遊び」をコンセプトに、古来、重宝されてきた「生活の道具としての漆器」に改めて光を当て直し、今の時代に求められる漆の居場所を模索し再提案を行っています。自然の恵みから生まれる素材、木や漆。それらをデザインし、オーセンティックにリメイクしたアウトドアツール”NODATE Mug”は、今の道具として若者から年配者まで新たなマーケットを築き始めています。
関美工堂は、時代を見つめ、ユニークな発想で、未来に求められる価値を提案し続けます。

《ステートメント》
野に漆 〜 Authentic Japan
古来、野外での茶会や宴席で親しまれてきた漆器。
ノダテマグは「漆のある暮らし・遊び」をコンセプトに新しく生まれた漆器ブランドです。自然の恵み、木や漆。それをデザインし、オーセンティックな技法でリメイクした暮らしの道具。漆器の優しい手触りは、今の生活で忘れかけていた、人と地球の関わり方に気付かせてくれます。
現代茶湯アワード弐〇壱参特別賞受賞。2014年六本木ミッドタウンの会津塗人気投票で一位受賞。経済産業省2015 The Wonder 500選定。Hong Kong等海外への販売も多数。

  • artist
  • work







竹下 努 TAKESHITA Tsutomu

【略歴】
1986 長野に生まれる
2007 岐阜県立多治見工業高校専攻科卒業
2010 フタのある形 PartU(ギャラリーヴォイス/多治見)
2011 土岐市織部の日記念事業 第4回現代茶陶展「入選」
2012 わんの形(ギャラリーヴォイス/多治見)
2013 丸栄「ギャラリーエスパス」にて玉置保夫一門展
2015 陶芸作家展2013(セラミックパークMINO/多治見)
2015 第20回美濃陶芸庄六賞茶碗展「銀賞」受賞
2014 第3回そば猪口アート公募展「入選」
2015 陶芸作家展2014(セラミックパークMINO/多治見)

岐阜県重要無形文化財保持者玉置保夫先生に師事
現在、土岐市にて作陶中。

《ステートメント》
食器を主に作っています。
食器棚の中の、数ある食器の中から、つい手を伸ばす器。
そんな器を作りたくて日々、土と向き合います。

  • artist
  • work







タケベ ユウ TAKEBE Yu

【個展】
2010 「チキウトニムゲム」詩穂音-シフォン-(茨城県日立市)
2011 「チキウチウ」茨城キリスト大学(茨城県日立市)
2012 「PSYCHE」詩穂音-シフォン-(茨城県日立市)
2012〜「T.W.I.M.G.プロジェクト」 (茨城県東海村、日立市、水戸市、北海道函館市)

【その他展示】
1995〜毎年「原研美術部と仲間たち」JR東海駅ステーションギャラリー(茨城県東海村)
2008 「Emergent Artists 2008」メインサイトアートギャラリー(米国オクラホマ州)
2010 「Artcompe X 10」、「Artcompe X 10最終展示審査」Artcomplex Gallery of Tokyo(東京都新宿区、公募展)
2011 「ウチウムシ」アートスペースナカタニ(茨城県ひたちなか市、二人展)
2015 「夏がくれば、思い出す。」ブラウロート(福島県いわき市)
2011〜「KAW(Keyakidai Art Wave)」(茨城県水戸市、自主企画展)
2012 「マスだ!展」K's Gallery(東京都京橋)
2015 「Orphan Art Show」 (米国テキサス州、チャリティーオークション展)
2013 「ワールド・アート・ナーレ・ナーレ」(北海道函館市、自主企画展)
2015 「Orphan Art Show」(米国テキサス州、チャリティーオークション展)
2015 「詩穂音・年末小品展」詩穂音-シフォン-(茨城県日立市)
2014 「函館冬アート展」函館市芸術ホール(北海道函館市、ゲストアーティストとして参加)
2015 「y?+y?=y??」大黒湯(北海道函館市、故クリスト=ヨーク氏とささきようすけ氏の二人展に参加)
2015 「Boa Sorte」ブラウロート(福島県いわき市)
2015 「16人の表現者たち」K'S Gallery(東京都京橋)
2015 「Hakodate March」函館蔦屋書店(北海道函館市)
2015 「DoMAちっちゃい展やゆよ」民宿室屋(北海道函館市、自主企画3人展)
2015 「15人の表現者たち」K's Gallery(東京都京橋)
2015 「Gallery Hinoki Art Fair 2015」(東京都京橋)

《ステートメント》
ブリコラージュ(bricolage)の理念を持ち、常に「そこにあるもの」を利用して生活している。
作品制作への影響としては絵を描く土台の素材に道端で拾ったものや人から貰い受けたものを使っている。
古いもので特に人の手が加えられたり、人が利用した痕跡のあるものを好む。
最近では他力を受け入れ、キャンバスやパネルを購入することはほとんどないが面相筆と絵の具だけ時々購入している。
他力を受け入れるプロセスは継続中で、徐々にプリミティブな創作方法へと移行しているように思われる。
そしてその様々な土台に描くのは、八百万/マイクロ/マクロな「宇宙」であり、全てを包括した曼荼羅のようなパターンである。
人間中心の視点ではない別の視点を模索している。蒔絵を習っていたこともあり繊細で緻密な線が作品に反映されている。

  • artist
  • work







月星 開理 TSUKIBOSHI Kairi

視覚表現を中心に制作・発表を行う。作品には「線の要素」が多い。

【自主企画展示】
無限匿名(UPLINK Gallery、2012年4月25-30日)
四次元からの返信 無限匿名U(ドラッグアウトスタジオ、2012年11月22-27日)
n=(クリエイションギャラリー日本橋箱崎、2014年3月20-4月3日)

【グループ展、イベント出展、招待展示】
TDW-ART YOUNG ARTISTS JAPAN vol.5(TOKYO DESIGNERS WEEK 2012、2012年10月30日-11月5日)
SICF14(スパイラルホール、2013年5月3日-6日)
TDW ART FAIR(TOKYO DESIGNERS WEEK 2013、2013年10月26日-30日)
Graphic Art Exhibition 2014.March クリエイティブ表現の現在(レクトヴァーソギャラリー、2014年3月11日-15日)
月星開理展(EMPギャラリー、2014年6月17日-22日)
Graphic Art Exhibition 2015.May クリエイティブ表現の現在(レクトヴァーソギャラリー、2015年5月19日-23日)

【公募】
2014年9月「313×313 Dreaming Art ロイヤルパークホテル ザ 羽田 アート公募」入選

《ステートメント》
私は、
「あるような、ないような感覚」
「本当かどうかはわからないけれど、信じていることやもの」
「ここがどこだかわからないけれど、確かにあるもの」
を表したく、制作を行っています。
目覚めるとすっと消えていく夢も、見ている時には、夢の世界が現実であると信じて疑わなかった。
そこにあるのは大気だとわかっていても、向こうにそれ以外の何かがありそうで見上げたくなる空。
あの世があるか、そこに大切な人はいるのか、わからなくてもお線香で「挨拶」をする。
…等々、私達のまわりには、あるのかないのかわからないものがあふれています。
そして普段意識はしていなくても、あるのかないのかわからないものに、私達の心は支えられているのではないでしょうか。
そのような、あるのかないのかわからないものとの向き合った結果のひとつとして、作品を提示したいと考えています。
現在作品で主に用いている線、点、円は、一瞬のうちに存在する事象、どこかへの入り口や出口、などが形になっています。

  • artist
  • work







戸田 晶子 TODA Akiko

【略歴】
東京都在住
1974 山口生まれ埼玉育ち
1995 日本女子体育短期大学体育科舞踊専攻卒業(東京)
1999 ガラス制作を始める
2003 金津創作の森エズラグラススタジオ ブロー硝子塾研究科卒業(福井)
2003〜07 (株)ジーアンドシーアート ガラス工房スタッフ(山梨・神奈川)

《ステートメント》
なんとなくレールに乗った人生を歩みつつも18歳でドロップアウト、23歳まではダンサーを目指し、25歳で突如ガラスに目覚める。
ガラスの専門学校を卒業後、工房勤務を経てフリーランスとなる。
吹きガラスの制作過程での身体の動きやリズムにダンスとの共通点を見い出し、自ら吹いたガラスの形からイメージを膨らませ、浮かんでくる面や線と空想や妄想を重ね合わせた絵柄をエナメル彩で焼き付けた作品を制作。モチーフは人間や植物など。ガラスの屈折を利用した宇宙と生命がテーマのオブジェシリーズもある。
ガラスの透ける/映り込む性質を、「美しいこと」の他に、視点の転換/限定の解除/原点回帰などの思考へ結びつけていける作品づくりを目指しています。
生活に馴染みすぎるのではなく、ちょっとした違和感をもったもの。そういうものが身近にあることで、ちょっと立ち止まったり、考えを変えるきっかけになるかもしれない。本来の姿に立ち戻るためのきっかけのツールになるようなものがつくっていきたいと考えています。

  • artist
  • work







内藤 麻美子 NAITO Mamiko

【略歴】
1982 千葉県出身
武蔵野美術大学デザイン情報学科卒。
グラフィックデザイナーとしてファッション、ビューティ、音楽関係の仕事に携わった後、作家活動を開始するためにロンドンへ留学。
帰国後、京都に息づく美意識に惹かれ、2012年から京都に移住。
企画展示、セミオーダー絵画、イメージ制作を中心に活動中。
2013より京都造形大学×東北芸術工科大学の公開講座、「色彩と心の講座」講師?担当。
2014年伊勢丹新宿店、リニューアルオープンイベントにて、モードフロアの店舗装飾を担当。
企画展示販売、ライブペイントを行ったり、2015年は東京ミッドタウン8周年イベントの装飾展示に携わるなど、様々な活動を展開中。

1982 神戸生まれ
2006 武蔵野美術大学デザイン情報学科卒業
2006-2008 デザイン事務所Antenna Graphic Base にてグラフィックデザイナーとして勤務
2008 アーティストとして活動開始
2009-10 London Central Saint Martins College of Art and Designにてペインティング、プリントメイキングコース受講
2010 Gallery Conceal Shibuya にてグループ展 出展
2011 銀座Gallery art point にて「New Years Selection」出展
2015 銀座Gallery art point にて「Five ーそれぞれの視点ー」出展
2012 京都へ活動拠点を移す
2015 京都Gallery PRINZにて 個展「心を溶く旅」開催
2015 京都pooh's cafe にてコラボレーション展示・パフォーマンス『人間のような物-something like human/I -』開催
2015 東京,恵比寿gallery pointにて、『人間のような物-something like human/I -』巡回展? ライブパフォーマンス開催
2015 京都の台所=錦市場「アート×錦」イベントにて、3日間のライブペインティングを実施
2015 京都Independantsにて、Kumiko Takegamiとのコラボレーションライブペイントを実施
2013 西陣miho projectにて、個展 ・こころ化粧展を開催
2015 ファッションビル・NU 茶屋町 1階、8階、9階にて、ショーウインドウ展示 を開催
2015 NU茶屋町 art picnicに参加/エレベーターホール壁面にライブペインティングを実施
2015 青山スパイラルホールにて、武蔵野美術大学展示会『MUSABIUM』展に出展
2015 世界遺産・糺の森での京都市左京区のイベントにて、ライブペインティングを実施
2015 京都 錦市場にて、若冲オマージュ企画 出展
2014 名古屋の商業施設アスナル金山、春のイメージグラフィック制作を担当
2015 新宿伊勢丹店リモデル1周年記念イベント、店舗装飾、作品展示販売、ライブペインティングを実施
2015 CASIO ブルーオシアナアス ブラント10周年記念BOOK ア-トページ 担当
2015 京都NHK文化センターにて色彩講座 開講
2015 東京ミッドタウン8周年記念イベントにて、ライブペイントとゲストトリートメントを実施

《ステートメント》
色彩作家 内藤麻美子とは
人の想いや感情を、独自の色彩感覚で装飾するアーティストです。100色以上のオリジナルの感情を表す色見本を持っています。
2度の震災経験より、「想い」は形が無いあやふやなものだけれど、人を動かす原動力となりうる強いものと確信し、このテーマをもとに作品制作をしています。
作品には主に、伝統的な日本画の顔料、水干絵の具を使用しており、鮮やかな色彩と和紙に描くことによる “にじみ”を用いた流動的な画風が特徴。
データ出力を利用したミクストメディアの手法を取り入れたり、異なる業種とのコラボレーションなど絵画の枠にとらわれない、新たな試みも精力的に行っています。

  • artist
  • work







西 隆行 NISHI Takayuki

【略歴】
1984 生まれ
2008 福岡大学工学部建築学科卒業
2009 有田窯業大学校専門課程陶磁器科入学
2010 佐賀大学『ひと・もの作り唐津』プロジェクト参加
2011 有田窯業大学校専門課程陶磁器科卒業
2015 有田窯業大学校 助手就任
2012 佐賀大学『ひと・もの作り唐津』プロジェクト卒業
2013 有田窯業大学校 助手退任
現在、独立支援公房「赤絵座」にて作陶中

第111回九州山口陶磁展 熊本放送賞受賞
2014年伊丹国際クラフト展 入選
第112回九州山口陶磁展 入選


ホームページ:http://n-ceramic-artwork.jimdo.com/ (検索:西隆行)

《ステートメント》
雫シリーズ:オリジナルの青磁釉(雫釉)の表情が特徴的な作品です。釉は窯の中で高温(1200℃〜1300℃)になると溶けて液体状になり流れ出します。温度が下がり冷えると固まり流れた形状をそのままに保持します。まるで時が止まったかのような液体の自然な流れを表現しています。涼しげで動きのある表情です。液体の自然な流れなので一つ一つ表情が違います。作為的でない液体の自然な表情をとらえた作品です。
成形はロクロ成形で一つ一つ創っています。有田の伝統的なロクロ技術を基本にした磁器の作品です。ロクロの技術は、現代の名工奥川俊衛門先生にご指導いただきました。
器の下半分は焼締で磁土そのままの質感を活かしています。釉のかかっている部分の涼しげな表情と、焼締めの磁土の部分の滑らかな質感との対比がより作品を引き立てています。
青い遺跡:泥漿と言う溶けた土と釉薬とを型の中に流し込み形を作り、焼成によってその形が崩れて出来上がった作品です。焼成によって素材の持つ特徴が現れ、ダイナミックで力強い作品になっています。物が崩れていく姿はどこか哀愁があり、それでいて躍動的です。崩れる造形も無作為に崩れているようで全て物理的で物質の特性によって崩れています。
粉引き:土と焼成による素材感の魅力を出した作品です。下地の鉄分を含んだ土の上に白土を塗り独特の表情を出しています。下地の土の鉄分がはじけ、上に塗った白土のひび割れ、素材の味わいを出しています。
焼物は焼成する事によって完成します。一度自分の手を離れ炎によって変化し自然にまかせます。化学的に変化して、まったく違う物になって出てくる焼物、そこが難しくもあり一番の魅力だと考えています。
私はこれらの作品で焼成による変化の面白さ、素材の持っている特性を生かした作品作りをおこなっています。土の質感を活かし素材の持っている魅力を引き出していけるよう日々努力しております。今後もさらに素材への理解を深め、より魅力的な作品が作れるよう日々努力していきます。


  • artist
  • work







針生 卓治 HARIU Takuji

【略歴】
1984 宮城県仙台市生まれ。
2008 東北芸術工科大学芸術学部 日本画コース卒業
2010 東北芸術工科大学大学院芸術工学研究科 日本画領域修了
2012〜 山梨県・北杜市立須玉小学校 補助教員

【賞歴】
2005 第16回臥龍桜日本画大賞展 入選
2008 東北芸術工科大学卒業制作 優秀賞
2015 第72回河北美術展 河北賞(’06 新人奨励賞 ’07一力次郎賞)
2012 第30回上野の森美術館大賞展 入選(’07 入選)

【個展】
2011 個展/アートスペース羅針盤・東京
2014 個展-窓辺にて-/アートスペース羅針盤・東京
2015 個展「REPEAT」/i GalleryDC・山梨

【グループ展】
2010 羅針盤セレクション2010 vol.2/アートスペース羅針盤・東京
2015 dadacha/銀座スルガ台画廊・東京
2011 Allmage Les jeune-日本画6人展/K’s Gallery・東京
2012 羅針盤セレクション「様々な表現」/アートスペース羅針盤・東京
2015 北斗七星/アートスペース羅針盤・東京
2013 アートエナジー/代々木アートギャラリー・東京
2015 羅針盤セレクション「注目の作家展」/アートスペース羅針盤・東京
2015 STILL SUMMERU/マキイマサルファインアーツ・東京
2015 こうふのまちの芸術祭2013/富雪ギャラリー・山梨
2014 藤原泰佑×針生卓治Joint exhibition/アートスペース羅針盤・東京
2015 富士吉田芸術倉びらき/富士吉田市・山梨
2015 こうふのまちの芸術祭/甲府市・山梨
2015 Layer/マキイマサルファインアーツ・東京
2015 藤原泰佑×針生卓治joint exhibition2015/アートスペース羅針盤・東京
他グループ展多数

【他】
2013〜 現代短歌社発行「現代短歌(月刊)」カバー装画・挿絵担当

《ステートメント》
私は現在「窓」と「本」という2つのテーマを基に制作をしています。
「窓」シリーズは、窓が人間の世界と自然界との境界にあること、それにより世界がはっきりと分けられている(隔てられている)ことに着目したことから始まりました。私たちは日々、「自己」という内側の世界から外側である「他者」の世界を見つめています。「自己」と「他者」の違いを感じながら、それらとどう接するのか、どう距離を保つのかを選択することで、関係性を築き、また一人の人間であること、社会の一部であることを認識します。私たちは「境界」というある意味で人間特有の意識的差異をつくることで互いを護り、ときに取り払うことで繋がりや広がりを持つことができます。また、時に窓はその前に在るものを映します。内側である「自己」が映り、それを見ることで自己を再認識するということも私たちに必要な作業です。「窓」シリーズでは様々な位置から窓を通して見えた世界を描くことで、「境界」とそれを認識することの意味を表現しています。
「本」シリーズは、書店や図書館の大きな本棚に本が並ぶ様子に絵画的魅力を感じたことから始まりました。一つひとつが決して絵画性を持つわけではない本の背表紙が無数に並んだ時に、絵画という一つの世界を成り立たせているということが、同じように多種多様な人間や文化の上に成り立つ人間社会と通じると感じたのです。また本というツールの性質を考えると、人間の知識や情報、考えを色濃く反映し、人間を象徴するツールでもあることから、人間のメタファーとしても描くようになりました。本を積み重ねた様は、人間が歴史を積み重ねた様と通じます。本を積み重ねる中で生まれる不安定感は、過去に起きてきた問題や今日私たちを悩ませる問題を思わせます。過去に目を向け、学び、未来を創ること。そのことを「本」シリーズを通して発信したいと思っています。

  • artist
  • work






ページのトップへ